A Pom-pom crab. Named after its tendency to wave stinging sea anemones to protect against predators.
(https://www.youtube.com/watch?v=b4SxDGoppH8から)
ネタがシンプルなだけに笑いが起きる構図が凄く分かりやすかったので解説してみたい
今日は寝るのでとりあえずまとまりや整理関係なく分解します
ネタの流れ
まず二つの前後の机に座る二人の高校生が、紙にペンをはしらせている。
ツッコミの演技「前を覗き込もうとしている」
この二つの状況だけで客は「今高校の教室でテスト中で、前の席をカンニングしようとしている」ということが、ツッコミが「くそ~見えねーなー」などと言わずとも伝わってくる。それはツッコミの演技力(観察力)。
ツ「おい、ちょっと見せてくれよ」
ボ「静かにしろ」
ツ「みしてくれよ」
ボ「静かにしろ」
前半のこのやりとりの部分では、ツッコミもだがボケの声のトーンがリアリティがあるものになっていて、ありそうな光景。
観客はここで引き込まれる。
「お笑いなのだから、笑うような出来事が起こるはずだ。でも今の所、極めてよくある、リアリティのある状態だ。なにも起こりそうにない。この状況から何が起こるんだ?」という謎を提示されるから。
そして尚も続くやりとり。
ツッコミが「みせてくれ」という事を言葉を変えてナチュラルに伝える。このナチュラルな演技は今回のボケにとても重要。
ボケは「静かにしろ」を、あくまで日常でありそうな演技をしながら、何度も繰り替えす。このタメが非常に大事で、長くても短くても多分ダメ。
最初は自然に見えるように演技しているから、やはりこのコントの進む方向性が見えてこなくて観客は引き込まれたまま。そろそろ飽きてくる、というタイミングで、
いよいよボケの演技が大きくなってくると同時に、どうやらこいつ「静かにしろ」しか言わないぞ
という面白味が見えてくる。
今回のこのネタで重要なのはボケの演技力もそうだけど、それをひきたてる事に徹して自然体でいることを選んだツッコミの演技。
あくまで凡人を演じる事で、ボケのおかしな行動が際立つ(集中できる)と同時に、ツッコミはツッコミで目的が最初から最後まで「カンニングしたい」とハッキリしているから、観客はボケの演技だけ見ていられる。そう、このコントの売りはボケの「静かにしろ」一言でこれだけ魅せれる、ということ。
次の笑いのポイントは、
ボケが声を荒げだす、という所。
ここで起きている笑いは、「静かにしろ」って言葉とのギャップで起きている笑い。てめーが静かにしろやwってツッコミを誰もが心のなかでする。
でもツッコミはあくまで教室でテスト中の演技をし続ける。そこがまた世界観を作り出している。
そして加えてボケの演技。少しづつ顔があからんでいき、静かにしろのバリエーションが増えていく。
「シッ」みたいな、声にださない演技をだして機敏に前を向くボケ。
多分ここまでが序。
ここまで観客は、このコントの方向性、ルールを見出す。
ボケが延々と静かにしろとしか言わないコントだ、と思う。
そこで今度はボケの動きの面、髪の毛を使って静かにしろ、と言ったり、今度はイントネーションを変えて見たりと、「静かにしろ」の新しい見せ方をさせられ、観客は驚き、期待に応えられ喜ぶ(笑う)
ここが生きるのは序があり、そこで緩急をつけているから。土台の価値観を壊す事で観客は驚かされる。
そこでボケは言う。
「静かにしたらみしてやる」
今度は言い方やイントネーションではなく、「静かにしろ」しか言わないという価値観を壊して、また観客は驚く。そして期待する。「結局みせないんでしょ?」と
案の定ボケはブレずに「静かにしろ!」と言い続ける。
ここでの笑いは期待に応えてくれて嬉しい笑いだが、即座にまたボケが言う。
「静かにしろって言え」
今度はまず大きい驚きが起きる。!? というのが一番近い。
ここで秀逸なのがツッコミの反応。
観客がしたい反応をしてくれているのだ。
ツッコミ「!?」
ここで共感できることで、よりボケの言ってることがわけのわからないことだと認識できる。
例えばここでツッコミが大き目の声で即座に「てめーなにいってんだよ!!w」とか言ったら台無し。
「静かにしろ」という目的で動いてきたボケが、急に「静かにするな」と言う。これは静かにしろしか言わない価値観を壊したかつボケの目的まで大きく変わってくる部分だから、観客は一瞬理解できなくて!?となってから、その後大きい笑いが起きる。
大きい笑いは大きい驚きの後におこる。
なんなんだこいつはってなる。
「静かにしろって言ったらみしてやる」
ここは先ほどの流れを踏まえているから驚きはない。
言おうとするツッコミを遮って「静かにしろ!」という事で、観客はまた期待に応えてくれて嬉しい笑いが起きる。
こんどはボケの演技がまた変化する。
泣きそうになりながら必死で、それこそが俺の言いたい事なんだとばかりに言う。
ここで面白いのは有無を言わさずボケの演技。
言葉の妙にクセになるリズム感であったり、動き。
観客は見せられて無条件に嬉しい。
漫画でいう良い絵とかパンチラとかを見せれている状態。ここはお笑いのセンスが光る部分。
更にやはりツッコミは、観客の代弁者として、面白い事を言おうとしない、あくまで自然な演技をつらぬく事で、一番面白いボケの演技を光らせている。
そしてダメ押しで最後の驚き、ボケのカンニング。
オチは意味の伴った「静かにしろ!」。
テーマが最初から最後まで一貫して、「静かにしろ」でどれだけ魅せれるか。だから非常に気持ちのいい閉まりのある終わり方になっている。
(via pipipichia)